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[レポート]口腔がん検診の講演から小児歯科で考える事

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口腔がんの熟年化が進んでいる?

19歳の舌がんの報告がありました。口腔がんの若年齢化が進んでいると言うお話しがありました。前がん病変が発症するのは一般的に5年〜10年といわれています。そうするとこの方の前がん病変が発症したのは9歳〜14歳となります。

[内容]

がんの原因として昔言われていたのが不摂生とか生活習慣に問題があるとか言われてきた時期もありました。しかし19歳となるとタバコや飲酒の過度の摂取も考えにくいです。今回のケースで一番の原因としてあげられてきたのが歯と舌のこすれによる舌の慢性的な損傷(今回の原因に関してあくまで講義の先生の主観です。)の可能性が高く、一般的にも多いとの事です。特に臼歯が内側に入り込んでいるケースは起こり易いと報告がありました。

赤ちゃん歯科ネットワーク(29回例会)でもつい最近のお子さんの臼歯は舌癖、口呼吸、反対咬合などによる舌の位置の関係で歯が骨に対して立たずに寝てしまうことによって下の歯は舌側に傾斜し見かけ状の歯の入る顎のアーチが狭くなり、歯が舌側に傾斜している講演がありました。また睡眠不足(睡眠の質も含め)による免疫や糖代謝の異常、体内時計の各臓器ごとの不調和によるがんの誘発(がんの誘発機構は院長は判りませんが)を起こす報告がありました。

ここからは講習会の報告と治療症例から考える院長の自論ですが(今回の19歳の舌がんの原因と思われる事とここ数年で話題になっている内容から出来ること考えた場合で、内容を保証する物ではありませんが)、小児の前がん病変が起こっている段階では発見もほぼ不可能に近いと思います。口腔外科の先生で19歳で主訴があって検体検査をして発見出来ましたが、この方が早い段階で前がん病変が起きたと仮定して、症状も実感もない9歳のお子さんに場所も判らないのに粘膜を切除して検査するのは不可能に近く、現実的ではないと考えます。考えるポイントは9歳の段階である程度の顎のアーチとできる限りの歯牙の直立の確保するためには矯正治療の早く開始する時期が一般的に8歳以降になると微妙な時期だと思います。

 赤ちゃん歯科ネットワーク(29回例会)の講義をされた先生も歯並びをいじると言うことはその周辺の骨の成長に影響をおよぼすため自然と他の部位の症状の改善が行われる報告していました。その事から矯正を始める前の矯正でマウスピースによる治療の行っている報告を行っていました。(具体的な詳細は出てきませんでしたが)

その事から3歳〜5歳くらいから歯並びに見た目上問題ないお子さんも舌や筋肉のコントロールを行い形態をを整えて行く必要があると思います。具体的には小児口腔機能管理による指導(保険適応には条件があります。自費で行う場合はそのバリエーションとんだ保険外の指導も出来るので有利につながるケースも多いです。

自費の例で言うと、補助器具としてマウスピースが使え、舌、歯牙の安定化が報告から有効と現時点では考えられています。マウスピースは4歳(3歳)〜6歳用、6歳〜12歳用があり、12歳〜用も有りますがこちらは少し前者と比較すると性質が異なります。それと現代社会に適応できる規則正しい生活リズムが重要ではないかと思います。

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この記事を書いた人

歯科大学卒業後、小児歯科を専攻として大学院を卒業し博士(歯学)号を取得。大学の小児歯科教室で教員を務めた後、地元で小児歯科を専門として開業しつつ、大学の非常勤講師(小児歯科)に任命中。小児歯科学会の認定医、専門医試験に合格して現在は専門医の資格を所有。小児歯科を専門とした歯科医師です。

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